駅ナカにおける限定土産の活況は、鉄道会社による緻密な都市型商業戦略の結晶でもある。在来線エリアを管轄する西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)と、新幹線エリアを担う東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の双方が、駅という空間の付加価値向上に力を注いできた。
移動の結節点にすぎなかったプラットフォーム周辺は、今や地域の食文化を発信し、新たな経済価値を生み出す舞台へと変貌を遂げた。独自の限定商品を開発することで、駅そのものが目的地化し、観光・旅行産業全体への波及効果を生み出している。
両社の競争と連携が生み出す新しいエキナカ体験は、駅の滞在価値を劇的に高めた。鉄道を利用するついでに買うのではなく、「あの駅限定の味を手に入れるために列車を選ぶ」という新しい消費行動が完全に定着している。