館内に足を踏み入れた瞬間、肌を刺すような緊張感が伝わってくる。土俵を照らす吊り屋根の照明の下、力士たちが放つ気迫は凄まじい。幕内の土俵は序盤戦から波乱の連続であり、番付上位の力士といえども一瞬の油断が命取りとなるサバイバルマッチが繰り広げられている。
満員御礼の垂れ幕が下がる両国国技館。観客の視線が一点に注がれる土俵中央では、鍛え抜かれた肉体同士が激突し、鈍い衝撃音が館内に響き渡る。土俵下の砂かぶり席から最上段のイス席まで、観衆の息をのむ気配が伝播する瞬間だ。今場所の覇権争いは、近年稀に見る大混戦の様相を呈している。