他人の信書を正当な理由なく開封する行為には、明確な法的リスクが伴う。根拠となるのは刑法第133条に規定された信書開封罪だ。1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科される可能性がある犯罪行為である。
ポイントは「誰宛ての文書か」という点だ。医療機関から出される紹介状の宛先は、通常「〇〇病院 〇〇先生 御中」のように受診先の医師になっている。法律の厳密な解釈上、宛名以外の人間が正当な理由なく開ければ信書開封罪の構成要件に該当し得る。もっとも、患者本人が自身の治療方針を確認するために開けた場合、刑事上の罪に問われる可能性は極めて低い。違法性や悪意が認められにくいためだ。しかし、同居家族や第三者が患者本人の承諾なく無断で開けた場合、家族間トラブルや法的な問題へ発展する危険性を秘めている。