現在稼働しているLDHの役員構成は、芸能プロダクションとしては極めてユニークな布陣です。ビジネスの専門知識を持つ外部のプロ経営人材と、パフォーマー出身のクリエイターが役員会に同居しています。
取締役会には、HIROを筆頭に財務や法務、コンプライアンスを管掌する専門役員が脇を固める一方、執行役員や子会社役員にはEXILEの歴史を創り上げてきた顔ぶれが並びます。先述したAKIRAやTETSUYAのみならず、橘ケンチは地方創生や日本酒カルチャーの推進プロジェクトを牽引し、小林直己やNAOTOらもアパレルや映像制作など各々の得意分野で事業責任を負っています。
この体制が生まれた背景には、「パフォーマーのセカンドキャリア問題を根本から解決する」というHIROの創業理念があります。身体を激しく酷使するダンサーという職業は、選手生命が限られます。かつてはパフォーマーが引退すれば芸能界を去るか、タレントとして細々と活動するしか道がありませんでした。LDHは自社グループ内に教育、飲食、アパレル、地方創生といった多角的な事業会社を設立し、引退したメンバーが経営者として能力を発揮できる受け皿を自前で構築したのです。