事件が報じられた際、世間が最も注目したのは『天才!志村どうぶつ園』で園長を務めていた志村けんさんの反応でした。志村さんは報道直後、ショックを隠せないながらも、パンくんを責めることなく「彼も大人になり、動物本来の力が出てしまった。被害者の方には心よりお詫びしたい」と沈痛な面持ちで語り、番組内でも事態を重く受け止めました。
志村さんとパンくんの関係は、単なるタレントと共演動物というビジネスライクな枠組みを超えていました。志村さんはプライベートでも阿蘇を訪れ、パンくんは志村さんの姿を見るだけで大喜びし、ガラス越しでも駆け寄ってキスをするほどの強い信頼を寄せていました。2026年3月に志村さんが急逝された際、園側が志村さんの写真をパンくんに見せると、じっと写真を見つめ、静かに手を合わせたというエピソードはファンの涙を誘いました。
一方、名コンビとして親しまれたブルドッグのジェームズとの関係性についても、放送終了後に様々な事実が明らかになっています。テレビでは「親友同士の冒険」として描かれていましたが、実際には綿密な訓練とトレーナーの監視下で成立していた関係でした。犬とチンパンジーは種族が異なり、成獣同士が自然界で無防備に戯れることはありません。ジェームズは2016年3月に12歳で大往生を遂げましたが、パンくんとジェームズが見せた数々の名シーンは、トレーナーの卓越した技術と徹底した安全管理の結晶であったと言えます。