慰安婦像は、韓国語で「平和の少女像(ピョンファエ ソニョサン)」と呼ばれ、第二次世界大戦期の慰安婦問題を象徴するブロンズ彫刻です。彫刻家のキム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻によって制作され、韓服を着た短髪の少女が椅子に腰掛け、足元のかかとを少し浮かせた特徴的な造形をしています。
この像の最初の設置理由は、日本政府に対して公式な謝罪と法的賠償、反省を永続的に求めることでした。像の隣に置かれた空席の椅子には、「亡くなった元慰安婦の魂を迎える場所」や「現代を生きる人々が隣に座って歴史的悲劇を共に共感する場所」という意味が込められていると作家側は解説しています。肩にとまる小鳥は「自由と平和、現世と来世の架け橋」を表現したとされています。
一方で、日本政府および支援団体以外の視座からは、このモニュメントが持つ政治的・外交的側面が強く指摘されています。1965年の日韓請求権協定によって国家間の財産・請求権問題は「完全かつ最終的に解決」されたとする日本の法的位置づけに対し、韓国側の支援団体(元「挺対協」、現「正義記憶連帯」など)は個人の損害賠償請求権や国家責任の追及を主張し続けてきました。感情に訴えかける「あどけない少女」の造形を採用したことで、歴史的背景の詳細を知らない第三国の一般市民に対しても、強烈な視覚的インパクトを与える象徴装置として機能しています。