シ村の生前、彼は市村真千代という名で、妻の美幸、そして愛娘の愛美花(えみか)と3人で暮らしていた。しかし、幸せな日常は愛美花の奇妙な偏食から崩れ始める。土や絵の具を食べようとする娘。現代医学では解決の糸口が見つからず、精神的に追い詰められていく美幸。そんな彼女の心の隙間に忍び込んだのが、新興宗教「加護の会」だった。
「加護の会」の教祖・森林(しんりん)は、独自の教義で美幸をマインドコントロールしていく。科学的治療を否定し、自然の力や祈りによって病を治すと謳うその集団に、美幸は完全にのめり込んでしまった。そしてある日、愛美花は冷たい遺体となって発見される。首を絞められた痕跡。あまりにも悲惨な結末だった。