2000年代初頭から日本の氷上エンターテインメントシーンを牽引してきたファンタジー・オン・アイス。しかし、近年のエンタメ業界を取り巻く環境の変化に伴い、従来のスタイルからの脱却が求められていた。そこで真壁氏が打ち出したのが、生演奏アーティストとの融合をさらに深化させた「ストーリーテリング型の演出」だ。
「単に豪華なスケーターが集まって滑る時代は終わった」と関係者が語るように、ショー全体の文脈形成が不可欠になっている。安藤美姫が魅せる圧倒的な存在感とドラマチックな表現力は、この新しいコンセプトの核心として欠かせないパーツとなった。かつてのライバル関係や栄光の影にある葛藤を抱えながら滑る彼女のステップは、リンクの空気を一瞬で塗り替える力を持っている。