肉体関係を伴わない、精神的な結びつきを重視する既婚者同士のプラトニックな関係は、一見すると清廉で無害に思えます。しかし、現場の当事者たちが抱える心理的葛藤は、肉体関係以上に複雑で深刻です。
大手掲示板やSNS、知恵袋などのコミュニティに投稿される当事者たちの手記や独白を検証すると、共通する心理構造が浮かび上がってきます。
都内のIT企業に勤務する40代女性は、社内の既婚男性との関係について次のように告白しています。
「家庭を壊す気は一切ありませんでした。ただ、仕事のプレッシャーや家庭内での母・妻という固定された役割から解放され、『名前を持つ個人』として認めてくれる彼との会話だけが、日々の唯一の息抜きだった。手を繋いだこともありません。でも、朝出社して目が合った瞬間の胸の高鳴りや、彼から届くLINEの一言に一喜一憂する自分は、間違いなく夫ではなく彼に恋をしていた。肉体関係がないからセーフだと自分に言い聞かせるほど、罪悪感の沼に沈んでいきました」
このように、既婚者同士恋愛感情の真相は、性的な衝動というよりも「承認欲求の飢餓」と「自己回復の渇望」に根ざしているケースが大半を占めます。長年の夫婦生活によって家族化が進み、異性として見られなくなった日常の中で、自分を一人の魅力的な存在として再認識させてくれる他者。その存在は精神的な精神安定剤として機能する一方で、依存度を急速に高めていく危険性を孕んでいます。