トレードマークである黒縁メガネが定着しているからこそ、メディアやSNSで男性芸人メガネなし素顔が公開された際、ネットコミュニティでは定期的に大きなバズが発生する。その反応を検証すると、芸人が意図的にメガネで隠している「素顔のリアル」が見えてくる。
代表的な事例がシソンヌのじろうだ。自身の公式Instagramや共演者の投稿でメガネを外した姿が写り込むと、「塩顔の超絶イケメン」「俳優かと思った」「メガネを外すと色気がすごい」といった驚きの声がSNS上で数万件規模で拡散される。じろうの素顔は非常に整った端正な顔立ちであり、コントで演じる怪演ぶりとの落差が凄まじい。メガネというフィルターを通すことで、イケメン特有の近づきがたさを意図的に中和し、哀愁や狂気を帯びたキャラクターへ自在に憑依していることがわかる。
宮川大輔についても同様のエピソードは枚挙にいとまがない。公の場で見せるパワフルな印象とは裏腹に、メガネを外すと非常に穏やかで優しげな目元をしており、街中をメガネなしで歩いていてもファンに全く気づかれないと自著やトーク番組で告白している。また、おぎやはぎの矢作兼もメガネを外すと素朴でナチュラルな風貌となり、プライベートの外出時に過度な注目を避けるための「ステルス機能」としてメガネの着脱が役立っているという。
このように、メガネ芸人たちにとって素顔を隠すことは、芸の幅を広げるための「キャラクターのカモフラージュ」であると同時に、プライベートな生活を守るための防壁としても大きな価値を持っているのだ。