私たちは今、あらゆる意思決定をAIに委ねる時代に生きている。おすすめの音楽、就職先、そしてマッチングアプリが提示する「相性の良い友人」候補。すべてがデータ化され、効率化された世界だ。しかし、それに反発するように、若者たちは「割り切れない無駄」を求め始めている。
都内の大学に通うサツキさん(20)は、週に一度、スマートフォンの電源を切って地元の友人たちとファミレスに集まる。「AIが選んだ友達は確かに話が合う。でも、どこかビジネスライク。私たちが求めているのは、理由もなく一緒にいて、くだらないことで夜を明かせるような、泥臭い関係なんです」と彼女は語る。効率性から最も遠い場所にある感情、それこそが彼らにとってのリアルなのだ。