SNSや美容掲示板、知恵袋の投稿を定点観測すると、ファンデーション選びにおける悲鳴にも似たリアルな声が日々蓄積されています。「カウンターのBAさんに選んでもらった色を買って帰宅したら、自宅の洗面所で白塗りお化けになっていて絶望した」「標準色を選んだら夕方に土気色になり、同僚から体調を心配された」といった失敗談は枚挙にいとまがありません。
都内百貨店で10年以上のキャリアを持つトップビューティアドバイザーは、取材に対して現場のリアルな実態を次のように明かしています。
「お客様の約7割が、ご自身の本来のスキンオントーンよりも1〜2段階明るいファンデーションを希望されます。『色白に見せたい』という無意識の願望に加え、店舗のダウンライトや化粧鏡のLED照明が肌のアラを飛ばすため、店頭では明るい色が綺麗に見えてしまうのです。しかし、一歩屋外に出て太陽光の下に出ると、首と顔が完全に分離して見えるケースが非常に多いのが実情です。」
また、近年のプチプラコスメや韓国コスメの台頭により、店頭テスターを自己判断で試して購入する層が急増しています。しかし、ネット上の「この品番はブルベ大優勝」といった口コミを鵜呑みにしてタッチアップなしで購入し、黄みや赤みのミスマッチでメルカリに即出品するユーザーが後を絶ちません。色選びの失敗は、単なる色味の誤差ではなく「光の環境差」と「心理的バイアス」の二重トラップから生じていることが浮き彫りになっています。