2018年、たった一人で国会議事堂前に座り込んだ少女グレタ・トゥーンベリは、瞬く間に世界的なうねりを生み出した。しかし、彼女の「How dare you!(よくもそんなことを)」という叫びから時が流れたいま、世界の指導者たちが掲げた目標の多くは先送りにされている。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表を重ねる報告書は、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える道筋が極めて絶望的になりつつある冷酷なデータを淡々と示し続ける。科学的証拠がどれほど完璧に揃おうとも、経済活動の歯車は止まらない。グレタの背中を追って立ち上がった新世代の若者たちは、もはや大人たちの「希望の言葉」を信じていない。対話を諦めた世代が、実力行使という名の最終カードを切るに至った背景には、社会構造そのものへの根深い不信が存在する。