物語の発端は、考古学者である父親が発掘調査を行っていた古代遺跡の地層にあります。古代人の奇妙な遺物や頭蓋骨を発掘した父親は、地層に宿る呪いめいた異変に気づきますが、その異変は自らの家庭へと忍び寄っていました。
考古学者の家庭には、語り手である姉の成海(なるみ)と、誰もが振り返る美貌を持った2歳下の妹・麗美(れいみ)がいました。母親は姉妹のうち、美しく生まれた麗美だけを異常なまでに溺愛し、自らの誇りとして育て上げます。
幼少期、麗美が軽自動車との接触事故に遭った際、異様な事実が判明します。めくれた顔面の皮膚の下から現れたのは、出血した筋肉組織ではなく、「1年前の麗美の顔」でした。父親の研究調査により、麗美の身体は竹の子の皮や樹木の年輪のように、1年ごとに新しい身体の層が外側へ形成され、内側には過去の身体がそのまま重層的に保存されているという、医学の常識を覆す構造を持っていることが発覚します。
父親はこの恐るべき事実に畏怖を抱き家族を守ろうと葛藤しますが、母親はこの特異体質を「永遠の若さを約束された奇跡」として歪んだ解釈へと傾斜させていきます。