水で戻す時間がない、あるいは完全に元の状態へ復元させるのが面倒な場合でも、焦る必要はありません。実は料理のプロの間では「適度に水分が抜けた大根は、最高の調味料吸着体」として重宝されています。あらかじめ水分が抜けているため煮汁が瞬時に浸透し、短時間で染み染みの状態に仕上がる点がメリットです。
以下に、調理時間を大幅に短縮しながら絶品料理へと生まれ変わるしなびた大根の救済レシピを2種紹介します。
■ 煮込み10分で中まで染みわたる「超特急・しなびた大根の煮物」
通常、大根の煮物は下茹でに20分、煮汁を含ませるのに30分以上を要します。しかし、しわしわ大根はすでに細胞間に隙間ができているため、予めの下茹でが不要です。
厚さ2センチの半月切りにし、皮を分厚くむいたら、だし汁・醤油・みりん・酒・砂糖と一口大の鶏もも肉を鍋に投入します。落とし蓋をして中火で10分ほど煮るだけで、噛んだ瞬間に中から煮汁がジュワッと溢れ出る極上の煮物が完成します。面取りをしなくても角が崩れにくい点も、水分が抜けた大根ならではの隠れた長所です。
■ 驚異のポリポリ食感「しなびた大根の漬物アレンジ」
しなびた大根は、天日干しした「切り干し大根」や「たくあん」に近い状態になっています。水分が多すぎる大根で漬物を作ると水っぽくなりがちですが、脱水状態の大根を使えば、歯ごたえ抜群の副菜が手軽に仕上がります。
大根を長さ5センチの拍子木切り、または薄めの短冊切りにします。ポリ袋に入れ、醤油大さじ2、酢大さじ2、砂糖大さじ1、ごま油少々、鷹の爪を加えて軽く揉み込みます。空気を抜いて口を縛り、冷蔵庫で30分置くだけで、居酒屋風の箸休め「ポリポリ中華風浅漬け」が完成します。噛むたびに小気味よい音が響き、しなびていたことなど完全に忘れてしまうほどの食べ応えです。