吉本興業の組織ピラミッドを語るうえで、最上層に位置する「大御所・レジェンド世代」の存在は絶対的です。上方落語界の重鎮である桂文枝師匠や、政界経験も持つ西川きよし師匠といった最高顧問格を別格とすれば、実質的なタレント序列の最高峰に位置するのは明石家さんまさんとダウンタウン(松本人志さん・浜田雅功さん)の2大巨頭です。
芸歴で見れば、1974年に笑福亭松之助師匠へ入門した明石家さんまさんが、1982年にNSC1期生として入校したダウンタウンの8年先輩にあたります。バラエティ番組等でダウンタウンがさんまさんに対して敬語を崩さないのは、この明確な芸歴差があるためです。一方で、近年の吉本興業のビジネスモデルや番組制作における影響力において、ダウンタウンが築いた功績は計り知れず、現場関係者の間では「興行と求心力のさんま、カルチャーと番組開発のダウンタウン」という双璧の頂点として認識されています。
また、ネット上でしばしば議論される「吉本の幹部芸人は誰なのか?」という点について、法的な役員(取締役)に芸人が就任しているわけではありません。かつて島田紳助さんや中田カウス師匠などが会社経営陣と極めて近い距離にいたように、現在では西川きよし師匠、桂文枝師匠、中田カウス師匠といった大ベテランが相談役的な「特別功労格」として遇されています。
その直下に位置し、ピラミッドの実動部隊トップとして君臨しているのが今田耕司さんと東野幸治さんです。ダウンタウンの直属の後輩(今田さんはNSC4期生、東野さんは高校卒業後に今田さんの紹介で心斎橋筋2丁目劇場入り)でありながら、全国ネットのMCを多数抱え、会社側と若手芸人とのパイプ役も果たす「中間管理職の最高峰」にして吉本の絶対的バランサーとして機能しています。