事件から長い歳月が流れた今も、夫の高羽悟さんは現場となったアパートの一室を当時の状態のまま借り続けています。毎月家賃を支払い、室内を保存し続ける理由はただ一つ、「現場こそが真実を語る場所であり、犯人に逃げ得を許さない」という強い決意があるからです。
本来であれば、旧刑事訴訟法のもとで2014年に15年の公訴時効を迎えるはずでした。しかし、遺族会「宙の会(殺人事件被害者遺族の会)」などの粘り強い活動が実を結び、2010年に殺人罪などの公訴時効が撤廃されました。これにより、法的に犯人をどこまでも追いつめる道が開かれたのです。
当時2歳だった長男も立派な成人に育ち、父子で奈美子さんの無念を晴らすための情報発信を続けています。現場アパートの前を通るたび、遺族の消えない悔しさと深い愛情が多くの人々の胸を打ちます。