南果歩の歩みを語るうえで、かつて人生を共にした二人の表現者の存在は欠かせない。1995年、作家でミュージシャンの辻仁成と結婚。長男を授かるも2000年にピリオドを打った。その5年後、2005年に世界的大スターである渡辺謙と再婚したニュースは、当時の芸能界に大きな衝撃を与えた。
この再婚により、渡辺謙の実子である俳優の渡辺大、そして女優の杏とも家族関係を結ぶことになる。血のつながりを超えたステップファミリーとして、南果歩は温かな家庭を築くために奔走した。杏のパリ移住や渡辺大の円熟味を増す演技など、それぞれが自立した表現者として歩む今も、かつて同じ時間を分かち合った記憶は消えるものではない。
2018年に渡辺謙との婚姻関係を解消して以降、彼女は誰かの妻という肩書きを脱ぎ捨てた。互いに過度な干渉はせず、表現者としての敬意だけを残す。現在の彼女が見せる晴れやかな笑顔は、複雑な親族関係をすべて受け止め、昇華させた者だけが持つ潔さに満ちている。