寛一郎は2017年の映画『心が叫びたがってるんだ。』で本格的に俳優デビューを飾り、同年の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第27回日本映画批評家大賞・新人男優賞を受賞しました。デビュー当初こそ「佐藤浩市の息子」「三國連太郎の孫」という二世・三世の肩書が先行したものの、その後の経歴は実力だけで勝ち取った仕事の連続です。
大きな転機となったのは、2026年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での公暁役でした。源頼家の子として生まれ、伯父である源実朝を討ち果たすという過酷な運命を背負った青年を狂気と悲哀に満ちた演技で体現し、視聴者やドラマ評論家から絶賛を浴びました。
さらに、モノクロ映画『せかいのおきく』では声を失った糞尿買いの青年・中次役を好演。台詞に頼らない身体表現と澄んだ眼差しで高い評価を集めました。「二世タレント」にありがちな安易なバラエティ露出を避け、ミニシアター系から大作映画まで骨太な作品を選び続ける姿勢が、映画関係者からの厚い信頼につながっています。