六本木の密会劇は、武豊にとって初めての私生活トラブルではなかった。時計の針を巻き戻せば、文藝春秋が発行する『週刊文春』をはじめとするメディア各社が、過去にも彼の女性関係や派手な交友関係に熱い視線を注いできた歴史がある。1990年代から2000年代にかけて、競馬界の枠を超えたスーパースターだった武の周辺には、常に芸能スキャンダル報道の影が付きまとっていた。
アスリートの純粋な技術や勝負論を掘り下げるスポーツジャーナリズムと、私生活の綻びを突く週刊誌ジャーナリズム。この二つの視線が交錯する場所に、常に武豊は立たされていた。どれほどレースで前人未到の記録を打ち立てようとも、私生活の乱れが一度表沙汰になれば容赦なく叩かれる。華やかなスター街道の裏に潜むプレッシャーと孤独が、夜の街での軽率な振る舞いへと繋がったのではないかと囁く関係者も少なくない。
メディアによる執拗な追跡は、スーパースターが背負う宿命の重さを改めて証明する結果となった。