医学的に立証された薄毛治療において、中心的な役割を果たすのが「ミノキシジル」と「フィナステリド(またはデュタステリド)」という2大有効成分です。
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬(血管拡張剤)として開発された経緯を持ちます。臨床試験の過程で多毛症の副作用が見られたことから発毛剤へと応用されました。血管を拡張して血流を促進するだけでなく、毛母細胞の細胞分裂を活性化させる成長因子(VEGFやFGF-7)の産生を促し、小さく縮んでしまった毛包を再び大きく成長させる強力な発毛効果を持ちます。
一方、男性型脱毛症(AGA)の根本原因にアプローチするのがフィナステリド内服薬です。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが体内の還元酵素「5αリダクターゼ」と結合し、強力な脱毛ホルモンである「ジヒドロテストステロン(DHT)」へと変換されることで引き起こされます。DHTは髪の毛の成長期を数ヶ月から1年程度に短縮させ、髪が太く育つ前に抜け落ちるサイクルを作ります。フィナステリドはこの5αリダクターゼを阻害し、抜け毛のブレーキ役として機能します。
つまり、現代の本格的なAGA治療においては、「フィナステリドで脱毛を止め、ミノキシジルで新しい毛を生やす」という攻めと守りの両輪が医学的標準となっています。
なお、発毛剤を使用し始めた初期(2週間〜1ヶ月半程度)に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が見られる場合があります。これは休止期にあった弱い毛髪が、下から新しく生えてくる力強い毛に押し出される好転反応であり、毛周期が正常化しているサインですが、予備知識がないと治療を中断してしまう大きな原因となります。