暖簾とも看板ともつかない小さな銘板が飾られた路地裏の角。知らなければ通り過ぎてしまうような隠れ家的な佇まいでありながら、連日連夜、満席の熱気に包まれている。店内に一歩足を踏み入れれば、そこはまるでイタリアのアマルフィ沿岸やトスカーナの郷土料理店に迷い込んだかのような躍動感に満ちている。
オープンキッチンから届くライブ感は半端ではない。炭火でじっくりと焼き上げられるブランド肉の脂が落ちる音、手打ちパスタが湯気を立てながらソースと絡み合う瞬間。それらすべてが五感を刺激し、食欲を否応なしに掻き立てる。カウンター越しに見えるシェフの手捌きには無駄がなく、一連の動作そのものが洗練されたパフォーマンスのようだ。