球場の空気が変わったのは初回だった。セントラル・リーグの先発マウンドに上がったエースが投じた初球、158キロのストレートが唸りを上げてキャッチャーミットに突き刺さる。対するパシフィック・リーグの強打者も負けてはいない。完璧なフルスイングで弾き返した球は、ライナー性で右中間を破った。
互いのプライドが真っ向から衝突するゲーム展開に、スタンドは揺れた。終盤まで1点をもぎ取り合うジリジリとした攻防。土壇場の8回裏、代打で登場した若き大砲が放った一撃が、左翼席上段へと吸い込まれる逆転ホームランとなった。試合終了の瞬間、勝利したナインはベンチから飛び出し、笑顔で健闘をたたえ合った。これぞ日本のプロ野球が誇る最高のエンターテインメントだ。