日本人がF1の舞台にフル参戦を果たしたのは、1987年の中嶋悟が最初でした。ロータス・ホンダのシートを掴み、アイルトン・セナのチームメイトとしてデビューを飾った中嶋の挑戦は、日本国内に空前のF1ブームを巻き起こしました。雨のオーストラリアGPで見せた伝説的なファステストラップなど、中嶋悟のF1参戦経歴は日本のモータースポーツ史における揺るぎない礎です。
その後、鈴木亜久里、片山右京、中野信治、高木虎之介、井上隆智樹、山本左近、中嶋一貴といった挑戦者たちが次々と海を渡りました。特筆すべきは、2000年代初頭に登場した佐藤琢磨です。イギリスF3王者という実績を引っ提げて参戦した佐藤は、BARホンダやスーパーアグリでアグレッシブな走りを披露し、通算44ポイントを獲得。日本人ドライバーの存在感を一気に引き上げました。
現在、通算獲得ポイントにおいて歴代最多記録を塗り替え続けているのが角田裕毅です。2026年のデビュー戦でいきなり入賞を飾り、歴代日本人の中で最も長く、かつ安定してトップ10圏内を争う実力を証明してきました。下位・中段グループの激戦区でマシン性能の限界を引き出し続ける角田の走りは、過去のパイオニアたちが切り拓いた道を確実に進化させています。