武家諸法度とほぼ時を同じくして出された一国一城令も、大名統制の猛威を加速させた。各令国において大名が居住する一城以外の城郭をすべて破却させるこの政策は、領内の軍事拠点を即座に無力化させた。かつて群雄割拠した戦国大名の誇りは、物理的にも解体されることとなった。
これに加えて寛永令で義務化された参勤交代は、大名の財政を恒常的に圧迫する天才的な統制システムとして機能した。参勤交代の道中、大名行列は過剰なほどの豪華さを競い合い、それが結果として幕府への忠誠心を示すパフォーマンスとなると同時に、藩財政を破綻寸前に追い込んだ。暴力ではなく経済的・形式的圧力によって異論を封じるという、驚愕の支配メカニズムがここに完成したのである。