20世紀後半、香港映画の黄金期とともに抱拳礼は世界中で知られるジェスチャーとなった。ショウ・ブラザーズの映画や金庸原作の武侠ドラマにおいて、剣士たちが試合前に交わす抱拳礼はスクリーンを彩った。
ブルース・リーは映画『燃えよドラゴン』などで、圧倒的な強さの裏にある礼節を表現するために抱拳礼を効果的に用いた。ジェット・リーが主演した『黄飛鴻(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)』シリーズでも、主人公の格調高き人徳を示す象徴として描かれている。
対戦相手を打ち負かした後、静かに胸の前で抱拳礼を作り「承譲(チェンジャン=お手を拝借いたしました、学びを得ました)」と一礼する場面は、武道映画における最も美しく詩的な瞬間の一つである。