松平健の芸能界入りは、多くのスターとは異なる道を辿った。1972年、19歳の時に劇団に入団したことが、彼の俳優人生の始まりだった。当時の日本は高度経済成長期の余韻が残る時代。テレビが家庭に普及し、映画産業は衰退期を迎えていた。そんな中、若き松平健は舞台という古典的な表現の場を選んだ。
劇団での日々は決して楽ではなかった。朝から晩まで稽古に明け暮れ、時には裏方の仕事もこなした。給料はわずかで、アルバイトをしながら芸を磨く生活。しかし、この時期に培った演技力と身体能力が、後の時代劇での殺陣シーンに活きることになる。