SNSが生活の中心となり、誰もが「見られる自分」を演出することが当たり前になった現代。自撮り写真にフィルターをかけ、理想的な自分を作り出す行為は、現代人が生き残るための防衛本能とも言える。
抜水摩耶の作品が現代人の心に刺さるのは、この過剰な「演出」の虚しさと美しさを同時に暴き出しているからだ。彼女の描く少女たちは、完璧に装飾されている。完璧にメイクされ、理想的なポーズをとっている。しかし、その瞳は虚無を見つめているか、あるいは観客を射抜くような鋭い光を宿している。
「私はここにいるが、ここに見えているものが私の全てではない」
キャンバスの奥から発せられる無言の主張。それこそが、SNS時代の承認欲求と自己防衛の間に揺れる現代人のリアルな心理像に他ならない。