十一番隊の象徴である「剣八」の名は、代々「どれだけ斬られても倒れない最強の死神」にのみ受け継がれる絶対的な称号です。その十代目を襲名した鬼厳城剣八は、顔に斜めの大きな傷痕を持ち、顎鬚を蓄えた筋骨隆々の巨漢として描かれています。性格は粗暴かつ傲慢で、周囲を力で威圧する典型的な武闘派でした。
彼の本名は「五助(ごすけ)」という非常に素朴なものであり、「鬼厳城」という勇ましい名は、まるで難攻不落の城郭や鬼を思わせるその風貌と体躯から付けられた渾名(通り名)に過ぎません。歴代隊長の中でも本名と渾名のギャップが際立つキャラクターの筆頭です。
彼が十代目隊長に就任した背景には、十一番隊の歴史における特殊な事情が絡んでいます。通常、剣八の座は「当代の剣八を満座の隊員の前で一騎打ちにより殺害する」ことで継承されます。しかし、成田良悟氏が執筆した公式ノベライズ『Spirits Are Forever With You』において、先代である八代目・痣城剣八(痣城双也)は反逆の廉で中央四十六室に自首し、地下牢獄・無間へと収監された事実が明かされました。
当時十一番隊の筆頭格であった五助は、前任者を直接討ち倒したわけではないものの、空席となった十一番隊をまとめ上げる腕力を認められ、十代目・鬼厳城剣八を名乗ることになったのです。