「2階の窓まで届くほど巨大化して困る」という理由から、主幹の頭頂部を途中で水平に切り落とす「芯止め(しんどめ)」を安易に実施する家庭が目立ちます。しかし、この処置こそが樹形を修復不能なまでに乱す元凶です。
シマトネリコは頂部優勢という性質が非常に強く、真上に伸びようとするエネルギーを持っています。主幹の先端を失うと、木はパニックを起こしたように切断部のすぐ下から無数の強い脇枝(徒長枝)を四方八方に吹き出します。その結果、本来の美しい円錐形の自然樹形は失われ、竹箒を逆さにしたような異様なボリューム感の頭部が形成されてしまいます。
さらに、根元から勢いよく生えてくる「ひこばえ」の発生が急増する点もデメリットです。主幹への養分供給が阻害された木は、地際からひこばえを次々と伸ばして自らを支えようとします。このひこばえを放置すると、株立ち本来の主幹に届くはずの養分が奪われ、上部の主要な枝が枯れ始めるという本末転倒な事態を招きます。高さを抑えたい場合は、主幹をぶつ切りにするのではなく、目的の高さにある細めの分岐枝へ斜めに切り替える「芯の立て替え」を行う必要があります。