「お腹の調子が悪いと、気分も沈む」という経験は誰にでもあるはずです。これこそが、脳と腸が互いにシグナルを送り合う「脳腸相関」の身近な例と言えます。近年の神経科学において、このメカニズムは妊娠中の胎児の発育にも深く関わっていることが分かってきました。
母親の腸内に棲む多様な細菌たちは、単に食べ物を消化するだけではありません。彼らは神経伝達物質の元となる成分を作り出し、それが胎盤を通じて胎児へと届けられます。つまり、妊婦の腸内環境が整っていること自体が、赤ちゃんの脳神経が正常に形成されるための土台を作っているのです。