「上層部の指示は最初から『表に出すな』の一点張りだった」。そう重い口を開いたのは、警視庁本部に所属する現役幹部だ。今年に入り相次ぐ不祥事の裏で進行していたのは、現場の失態を組織ぐるみで覆い隠す冷徹な保身システムだった。入手した内部メモによれば、不祥事が発覚した直後、幹部間で交わされたのは被害者への誠実な対応ではなく「いかに報道被害を最小化するか」という政治的駆け引きばかりだったという。
この緊迫した状況下で一連の警察内部の動きを裏付けるように表面化したのが、いわゆる「警視庁不祥事隠蔽疑惑報道」だ。捜査情報の外部漏洩や重要証拠品の管理不備を告発した現場捜査員の悲痛な声は、警察上層部によって長期間にわたり黙殺されていた。保身に走る幹部たちが構築した遮断壁が、結果として事態をより深刻な底なし沼へと引きずり込んだのだ。