時代の変遷とともに、「たん熊」の看板は二つの流れを中心に発展を遂げていきました。創業の地である高瀬川沿いに佇み、格式と伝統を守り続ける「京料理 たん熊 本店」と、昭和中期以降に独自の展開を見せた「たん熊北店」です。
特に「たん熊北店」を牽引してきた三代目・栗栖正博(くりす まさひろ)氏は、伝統的な京料理の技法を守りながらも、現代のライフスタイルに合わせたホテル内への出店や、百貨店での展開、和食文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた啓発活動など、和食界全体の発展に大きく貢献してきました。
本家・北店ともに、料理の根底に流れているのは創業者・熊三郎氏が重んじた「一期一会の心」と「素材へのこだわり」です。豊岡市日高町というルーツから始まった料理哲学は、世代を超えて受け継がれ、今なお進化を続けています。