「ゴーヤは白いワタを徹底的にスプーンで削り取らないと苦い」と信じられてきましたが、食品成分の研究や調理実験において、これはよくある誤解であることが分かっています。
苦味成分である「モモルデシン」や「チャランチン」が最も多く蓄積しているのは、実は外側の濃い緑色をしたイボ(果皮表面)の部分です。内側の種とワタ自体には強い苦味成分はほとんど含まれておらず、水分と食物繊維が中心です。ワタを削りすぎると可食部が減るだけでなく、煮崩れの原因にもなります。スプーンで種と柔らかい繊維を軽くなでるように取り除くだけで下処理としては十分です。
苦味をしっかり抑えつつ、シャキッとした食感を残すための正しい下処理手順は以下の通りです。
- 厚みの調整:ゴーヤを縦半分に切り、種をスプーンで除いたら、厚さ2〜3mmの薄切りにします。厚すぎると中まで味が染みず苦味が残りやすくなり、薄すぎると煮崩れてペースト状になってしまいます。
- 塩もみと脱水:スライスしたゴーヤに塩(小さじ1)を揉み込み、約10分置きます。浸透圧によって苦味成分を含んだ余分な水分が外へ排出されます。
- サッと熱湯に通す:沸騰した湯に塩もみしたゴーヤを入れ、1分〜1分30秒程度サッと茹でて冷水に取ります。水溶性のモモルデシンが湯に溶け出し、鮮やかな緑色に定着します。
- 徹底的な水気絞り:ザルにあげた後、キッチンペーパーや清潔な布巾で包み、両手でしっかりと水分を絞り切ります。ここで水分が残っていると味がぼやけ、佃煮本来の保存性も低下します。