「2時間1,980円」の飲み放題プランを前にしたとき、客と店の知恵比べが始まる。結論から言えば、一般的なアルコールメニューの原価率を知れば、どちらが得をしているかは一目瞭然だ。
ドリンクごとの標準的な原価を見てみよう。樽生ビール(中ジョッキ・約380ml)の仕入れ原価はおよそ150円〜180円。これに対し、卓上サーバーや安価な大容量ボトルで作るチューハイやレモンサワーは一杯15円〜25円程度、甲類焼酎の割り材にいたってはシロップを含めても10円台前半に収まる。ハイボールもバルクウイスキーを使えば一杯30円前後だ。ウーロン茶やジュースなどのソフトドリンクに至っては数円から十数円レベルに過ぎない。
つまり、2時間でサワーやハイボールを5杯飲んだところで、原価合計はせいぜい100円〜150円。1,980円のプランであれば、店舗の粗利益率は90%を超える計算だ。客側が「原価ベース」で元を取ろうとするなら、生ビールだけを立て続けに10杯以上流し込まなければならない。だが、多くの店は最初の乾杯以降の注文にオペレーション上の「タイムラグ」を発生させたり、グラス交換制を厳格に適用したりして杯数をコントロールする。単品注文で3杯程度しか飲まない人にとって、定額プランは確実に「払いすぎ」の罠となる。