昭和の銀幕時代、スクリーンのヒロインに求められたのは「浮世離れした神聖さ」だった。戦後の高度経済成長期を経て、テレビの普及とともに独自のアイドル文化が花開くと、かつての高嶺の花だった女優像は、より親しみやすい存在へと変化していく。この時期に醸成された「黒髪」「素肌感」「スキャンダルの無縁さ」という記号が、日本における典型的なイメージの基礎となった。
平成に入ると、日本のテレビドラマが最盛期を迎える。トレンディドラマの熱狂が落ち着いた90年代後半から2000年代にかけて、透明感と高い演技力を兼ね備えた人物像が主役へと躍り出た。そして2026年現在の芸能界において、その定義は「無傷の優等生」から「芯の通ったしなやかさを持つ表現者」へと大きくアップデートされている。単に清純なだけではなく、自分らしい生き方を選択する強い意思が、現代の視聴者から共感を集める必須条件となった。