八重桜と並んで4月11日を彩るレンギョウとクローブには、植物としての確かな個性と歴史に裏打ちされたエピソードが宿っています。
レンギョウ(連翹)はモクセイ科の落葉低木で、枝が弓なりに伸びて地面に届くとそこから根を出すほどの強靭な生命力を誇ります。漢方では果実が消炎や解毒の生薬として用いられてきました。冷たい風が残る早春に、葉が出るよりも先に鮮烈な黄色い花を咲かせる様子から「希望」「期待」という花言葉が生まれました。何かに挑戦しようとしている人へ勇気を与えるメッセージとして、これ以上の花はありません。
一方のクローブ(チョウジ)は、フトモモ科の常緑高木です。その芳香は古くから魔除けや防腐剤、さらには王侯貴族の香薬として重宝されてきました。独特の甘くスパイシーな香りと、つぼみの形が釘(くぎ)に似ていることから「丁」の字が当てられた歴史を持ちます。甘美でありながら凛とした刺激を持つことから「威厳」「神聖」の象徴とされ、大人の落ち着きを持った方への敬意を表す際に重宝されます。