日本の洋食は、西洋料理をそのまま再現したものではない。明治期以降に広がった西洋風の料理が、日本の米文化や家庭の味覚に合わせて変化し、独自のジャンルになった。オムライス、ハンバーグ、カレーライス、エビフライ、コロッケ。どれも日本の食堂やレストランで長く愛されてきた。
ザ 洋食 屋 キチ キチが扱うオムライスも、この流れの中にある。卵料理の華やかさと、米を主役にした満足感。ソースの濃さや香ばしさ。日本の洋食が持つ「少し特別だが、気取らない」魅力をよく映している。
京都という土地柄も興味深い。京都の食といえば、懐石料理、京料理、抹茶、和菓子を思い浮かべる人が多い。しかし実際の京都には、喫茶店、洋食店、ラーメン店、ベーカリーなど、日常の食文化も豊かに根付いている。ザ 洋食 屋 キチ キチは、観光地としての京都と、街の洋食文化の間に立つ存在として見られている。