職場におけるニオイの問題はスメルハラスメント対策として企業側も神経をとがらせていますが、指摘の仕方によっては受け手に対する不法行為(パワーハラスメント)に反転します。注意を受けた側が「職場で臭いと言われたのはパワハラではないか」と苦痛を感じる場合、その境界線は「配慮の有無」と「態様の悪質さ」にあります。
業務上の必要性から、個室でプライバシーに十分配慮した上で、事実のみを静かに伝えて改善を促す行為は正当な業務指導の範囲内と判断される傾向にあります。しかし、以下のような態様は明白な違法行為・ハラスメントに該当します。
・他の社員がいる前で大声で「お前は臭い」「迷惑だ」と罵倒する
・本人のいないところで悪口を言いふらし、集団で無視や仲間外れを先導する
・机に消臭スプレーや芳香剤を大量に並べるなど、見せしめのような嫌がらせを行う
・改善の機会を与えず、ニオイのみを理由に不当な降格や解雇、配置転換を強要する
ニオイがあることと、人格を攻撃されてよいことは全く別の問題です。相手の行き過ぎた言動に対しては、自分に非があると感じていても泣き寝入りする必要はありません。