日曜劇場の枠を超え、映画界すら震撼させた『VIVANT』の衝撃波はいまだ収まっていない。モンゴルロケを敢行し、巨額の制作費を投じてハリウッド級のアクションと重厚な諜報劇を叩きつけたTBSテレビの賭けは、日本のテレビ界の常識を根底から覆した。
その中心で異様な存在感を放ち続けたのが堺雅人だ。善良な商社マンと冷酷な特殊部隊員という極端な二面性を、瞬時の眼光と発声のトーンだけで切り替える怪演。彼が画面に登場するだけで、作品の格が一気に引き上げられる。スケール感に負けない俳優の肉体性と知性が融合したとき、テレビドラマは配信映画をも凌駕するエンターテインメントへと昇華する。