家族内でえくぼが受け継がれる様子を見て、「これは遺伝するのか」と疑問を持つ人は多いはずです。遺伝学において、えくぼは典型的な「常染色体顕性(優性)遺伝」のパターンをたどる形質として知られています。
最新の臨床遺伝学データによると、えくぼ遺伝の確率は、両親の遺伝子型によって以下のような傾向を示します。片親にえくぼがある場合、子どもに遺伝する確率は約25%〜50%。両親の双方がえくぼを持っているケースでは、その確率は約50%〜70%以上に跳ね上がります。ただし、遺伝するのは「筋線維と皮膚が癒着しやすい解剖学的素因」そのものであり、実際の見え方には「不完全浸透」と呼ばれる個人差が介在します。
「子どもの頃にはあったのに大人になって消えた」「痩せたら急に現れた」という経験談が存在するのは、皮下脂肪の厚みと肌の弾力性が深く関わっているためです。幼児期は頬の脂肪(バッカルファットや皮下脂肪)が厚く、筋肉の動きが皮膚に伝わりやすいためえくぼが強調されますが、思春期以降の骨格成長や脂肪の再配置によって窪みが目立たなくなることがあります。逆に、加齢によってコラーゲンが減少し皮膚がたるむと、かつてのえくぼが「笑いジワ」と同化してしまうケースも珍しくありません。