前掲のデータに基づき、実践で即座に役立つ正面斜め横顔の輪郭の立体処理と、属性による描き分けを深掘りします。商業イラストの第一線では、同一の型に当てはめるのではなく、骨格誘導線を自在に変形させるスキルが求められます。
特に難易度が高いとされるのが「斜め顔」です。奥側の輪郭を描く際は、眼窩(目のくぼみ)によるわずかなくびれと、頬骨(チークライン)の頂点を意識しなければなりません。こめかみ付近から一度わずかに凹み、目の横で頬骨が外側へ張り出し、そこから口元へ向かって内側へ落ちていくという複雑なカーブを描くことで、平坦な2D線画に圧倒的な奥行きが宿ります。
次に、丸顔と面長の描き分け方における決定的な違いは、「下顎角の位置」と「頬のふくらみピーク」にあります。丸顔を表現する場合、アタリの円を真円に近い比率で保ち、顎先を思い切って短く平坦にします。頬の最も外側に張り出すポイントを目線のやや下に設定することで、ふっくらとした肉付きを強調できます。対照的に面長を描く際は、円から下顎への落差を大きく取り、直線的なストロークで顎先を長めに成形します。このとき、鼻の下から上唇までの空間を詰めるのが、間延びを防ぎ大人びた知性を宿すコツです。
さらに、読者からの相談が絶えない男女の顔の描き分けでは、首の太さとエラの骨感が成否を分けます。男性キャラクターを描く場合、キャラクター顔のデッサンの原則に従い、下顎角(エラ)の角度を明瞭に残し、顎先を幅広の台形に近い形に設計します。首は頭蓋骨の幅に対して約65〜70%の太さを持たせ、胸鎖乳突筋の筋をくっきりと描き込みます。一方、女性キャラクターの場合は、エラの角を極力削ぎ落として柔らかな曲線でつなぎ、顎先を小さく繊細にまとめます。首の太さは頭部の50%前後に抑え、肩のラインへなだらかにつなげることで、フェミニンな華奢さが際立ちます。