戦後、米軍がまとめた公式戦史『OKINAWA: THE LAST BATTLE』において、八原博通の作戦指揮は「極めて合理的で卓越した戦術」として最大級の評価を与えられました。尋問を担当した米軍情報将校たちも、八原の冷静沈着な態度と論理的な受け答えに深い感銘を受けたといいます。
この八原の知性あふれるリアリストとしての姿は、映像作品でも鮮烈に描かれています。1971年に公開された東宝映画『激動の昭和史 沖縄決戦』(岡本喜八監督)では、名優・仲代達矢が八原博通役を熱演しました。
精神論に傾く周囲の将校たちに対し、冷静にデータと戦況を突きつけ、時に孤立しながらも任務を全うしようとする仲代達矢の演技は、観客に強い印象を与えました。この映画によって、八原博通の名は軍事ファンのみならず一般層にも広く知られることとなりました。