SNSや知恵袋などで散見される誤った情報について、報道・実務の観点から真実を整理します。
誤解①:「一般人でも自分で弁護士会照会を使える」
完全に誤りです。23条照会は弁護士法に基づく制度であり、弁護士(または弁護士法人)が事件を受任している場合にのみ申請できます。一般個人が直接弁護士会に申し立てることはできません。
誤解②:「照会をかけると相手に通知されてバレる」
原則として、照会先企業や弁護士会から「あなたについての照会が来ました」と対象者本人へ事前通知されることはありません。ただし、照会結果をもとに示談交渉や訴訟を提起した段階で、照会によって情報が判明した事実は相手方に知られることになります。
誤解③:「海外のIT大手にも23条照会ですぐに開示させられる」
Google、Meta、X(旧Twitter)などの海外法人に対しては、国内の弁護士会照会に対する回答率が低く、対応に数ヶ月を要するか拒否される事例が目立ちます。海外事業者からの情報開示には、裁判所を通じた発信者情報開示命令などの裁判手続きを併用するのが確実です。
【プロの結論】利用すべきケースと慎重になるべき人の判断基準
法的トラブルにおいて、23条照会を選択肢に入れるべきかどうかの判断基準は明確です。
【照会を利用すべき人】
- 判決や公正証書があるのに相手が支払いを拒んでおり、預金口座や勤務先を特定して差し押さえたい人
- 相手の電話番号や車のナンバーは把握しているが、住民票上の住所や本名が分からず訴状を送達できない人
- 遺産分割や離婚協議において、相手方が明らかに特定の金融機関に財産を隠匿している確証がある人
【利用を慎重に検討すべき人】
- 「どこの銀行に預けているかも全く見当がつかない」など、手当たり次第に全金融機関へ照会を乱発しようとしている人(多額の手数料倒れになるリスク大)
- 法的な請求権(不法行為や契約違反)の根拠が薄弱で、単に相手の私生活や交友関係を探りたい人(審査で却下される可能性大)