長瀬智也が選んだグループ脱退および事務所退所の背景には、複合的な要因が絡み合っていますが、関係者の証言や当時の発言を照合すると、その最大の引き金は「TOKIOとしての音楽活動の停止」にありました。
TOKIOは1994年のCDデビュー以来、ジャニーズ事務所の中でも極めて特異な「全員が本格的な楽器を演奏するロックバンド」として歩みを進めてきました。特に長瀬智也はメインボーカルとしてだけでなく、作詞・作曲・編曲を手掛けるバンドの音楽的支柱でした。しかし2018年、ベーシストであった山口達也氏の不祥事とグループ脱退を受け、バンド活動は事実上の無期限休止に追い込まれます。
当時の会見や関係各所への取材メモによると、長瀬智也は「山口のベース音がなければ、TOKIOのロックサウンドは成立しない」「他のサポートミュージシャンを入れて形骸化させてまで音楽をやりたくない」という極めて純粋な音楽的プライドを抱いていました。40代を迎え、表現者としてのリミットを意識する中で、バラエティ番組やテレビタレント業に軸足を移すグループの方向性と、純粋な音作りを追求したい自身の情熱との間に埋めがたい乖離が生じたことが、TOKIO長瀬 脱退理由の最も深い本質です。
退所直前の2026年1月期に主演を務めたTBS系金曜ドラマ『俺の家の話』(脚本:宮藤官九郎)は、長年培った肉体美と哀愁を漂わせる演技でギャラクシー賞をはじめとする数々の賞を受賞。まさに有終の美を飾る形で、惜しまれつつもテレビ業界の表舞台に自らピリオドを打ちました。