本作が他の刑事ドラマと決定的に異なるのは、事件解決の動機だ。正義感や使命感ではない。「趣味」なのだ。犯人を追い詰める緊迫感の代わりに流れるのは、独特のゆるやかな時間と、無用な真実を暴いた後に渡される「素数でできた誰にも言いませんよカード」。この軽妙な洒脱さこそが、霧山というキャラクターの真骨頂だ。
オダギリジョーの浮世離れした佇まいが、この独特な主人公に唯一無二のリアリティを与えている。シリアスな演技もこなす実力派でありながら、飄々とボケを重ねる彼の立ち振る舞いは、時代を超えて視聴者を惹きつけてやまない。