サンパウロのスタジアムで実際に繰り広げられる空気感は、欧州の主要リーグとも異なる独特の緊張感を帯びています。現地当局の治安維持方針に基づき、2016年以降サンパウロ州内のクラシコでは「単一サポーター制(Torcida Única)」が導入されています。これはアウェーサポーターの入場を全面的に禁止し、スタジアム全体をホームサポーターだけで埋め尽くす異例のレギュレーションです。
この措置により、スタジアム内は完全に一色に染まり、ホームチームを後押しする地鳴りのようなチャントと巨大な発煙筒、コレオグラフィーが展開されます。現地スタジアムを訪れた観戦者の証言やコミュニティの反応を見ても、「スタジアム全体が呼吸しているかのような圧力」「敵地で戦うアウェー選手へのプレッシャーは尋常ではない」といった声が多数を占めます。
アウェー席が存在しないからこそ、ホームチームが先制した瞬間のスタジアムの爆発的な歓喜と、逆に劣勢に立たされた際の異様な緊張感は、このダービーでしか味わえない唯一無二の光景を作り出しています。