なぜ球の体積には $\frac{4}{3}$ という分数が現れるのでしょうか。この疑問に2000年以上も前に解答を出していたのが、古代ギリシャの数学者アルキメデスです。
微分や積分といった高度な解析学が存在しなかった時代、アルキメデスは厳密な幾何学のアプローチを用いて観察を行いました。底面の半径と高さがともに $r$ の円柱、円錐、そして半径 $r$ の半球を比較した際、それらの体積比がぴったり「$3 : 1 : 2$」になる事実を解き明かしたのです。
円柱の体積($\pi r^3$)から円錐の体積($\frac{1}{3}\pi r^3$)を差し引くと、引き算の結果として半球の体積($\frac{2}{3}\pi r^3$)が残ります。これを2倍に拡張することで、球体全体の体積である「$\frac{4}{3}\pi r^3$」が見事に導出されます。図形の削り出しによって真理に到達した彼の墓碑には、この功績を象徴する「円柱に内接する球」が刻まれたと伝えられています。