この大会を語る上で欠かせないキーワードが「ジャイアントキリング」だ。数部下のカテゴリーに所属する格下チームが、億単位の年俸を稼ぐスター軍団を打ち破る光景は、もはや風物詩と言っていい。ピッチのコンディション、ホームスタジアムの荒々しい空気、そして何より失うもののないチャレンジャー精神が、幾度となく奇跡を演出してきた。
戦術的なデータ分析が高度化した現代であっても、ピッチ上に立ち込める異様なプレッシャーまでは数値化できない。格上が足元をすくわれ、スタジアム全体が揺れるほどの歓喜に包まれる瞬間、フットボールファンはスポーツが持つ真のダイナミズムを追体験することになる。