『こなかも知れない』『ルナティック雑技団』などの名作を世に送り出した後、90年代後半に彼女は静かに執筆活動を休止し、事実上の引退状態に入った。現在に至るまで、公式のインタビューや復帰の兆しは一切確認されていない。連載終了からどれほど年月が経とうとも、愛蔵版や電子書籍の重版は重なり、新たなファンを獲得し続けている。
ファンが探しているのは、単に肉体としての容姿そのものというよりも、「あの突き抜けたギャグを生み出した天才の面影」なのだろう。彼女が意図的に残した空白(空白の顔、空白の近況)こそが、読者それぞれの心の中で作品を永遠に風化させないキャンバスとして機能している。